日々の教育活動に関する面接の質問にどう対応するか、連載第21回は、「学級づくり」を取り上げる。
あなたが学級担任になったら、どのように学級づくりを進めていきますか。子供たちが学級の中で生き生きと過ごすことができるよう、どのような取り組みをするか教えてください。
新任の教員の中には、学級担任とはならず、少人数指導やTT担当、副担任などのような立場で1年目を過ごす場合もあるが、いずれは学級担任として仕事を進めていくことになるであろう。
担任ではなくても、実際は学級やグループといった集団の指導を担当し、教育活動を展開していくことは確かなことであろう。
子供たちが学級などの集団の中で、生き生きと学校生活を送るためには、その集団が生き生きと生活できるような雰囲気を持っている必要がある。その雰囲気を醸成していくものは、その集団に関わる教師である。学級ならば学級担任であろう。
まず、最初に醸し出したい雰囲気は、集団の成員一人一人がその集団の中で「存在感」を味わえるようにすることである。集団の中で「自分自身の居場所がある」「自分の役割がある」「自分が認められている」といったものである。自分の活動などが集団の中で認められ、意欲的に活動に取り組める基盤が集団にあるということである。この反対にあるものが、「自分は求められていない」「自分は不必要な人間」といった意識を持たせられる場合である。
こうした存在感を、一人一人の子供たちが味わうためには、担任らが子供たちの個性などを的確に把握することが必要である。良さや可能性を見いだし、それを集団の中で生かすよう努めることである。そのためには、子供たちをよく見ていかなくてはならない。よく会話をするということであり、時間の許す限り集団とともに過ごすということが大切である。
自分が皆から認められている、さらに、頼られているといった意識を持つことは、その子供の学校生活における意欲にもつながる。さらに自分を伸ばそうとする姿勢にもつながっていくのである。
「あなたがいると学級が明るくなる」「あなたの力がどうしても必要だね」などは、子供たちの心に触れる言葉掛けとなる。
「子供たち一人一人がそれぞれ集団の中で存在感を味わえるような学級にしていきます。自分の役割、存在価値が感じあれるような学級です。担任として子供たちの個性を的確に把握して、それぞれの良さを学級の中で生かせるよう努力します。できる限り子供たちと一緒に過ごす時間を取り、多く会話をして一人一人をよく見ていきます」などが回答例となる。