児童生徒の自尊感情や自己肯定感を高める指導が求められています。このことについてどのような取り組みをしていきますか。
私は「学習内容」を考え、「指導方法」を重点に授業づくりを工夫します。まず、各教科等の学習内容で扱います。特に、自尊感情や自己肯定感を直接取り上げている関連の深い内容を考えます。特別活動や道徳の時間で設定します。「自他のよさを実感できる学習」や「自分自身の大切さについて考える学習」の学年に応じた構成を考えます。
次に、指導に当たってはその子なりの目標や工夫点、努力点を持たせ、どこまで達成できたかを自己評価させます。さらに、他者との関わりから学ぶ場が持てる指導方法を工夫します。友達や先生から「認められた」「褒められた」などの人との関係の中で自分を見つめる場も設けます。
授業づくりに絞り、「学習内容」と「指導方法」の視点でまとめています。このように、自分のよさや個性について考えさせたり、相手のよさに気付いたり、互いの考えや努力したことを認め合ったりする学習活動が重要です。これらの視点は、学級経営の課題解決にも生かすことができます。具体策をまとめておくことを勧めます。
私は、子供たちに自信を持って行動できるように指導します。子供の頑張りや努力した点を褒めて自信を持たせます。子供は褒められるとうれしくなりやる気を出します。また、子供の作品やノートにも評価を書き入れて認めてあげます。工夫点や努力点が認められることが多くなると自分のよさに気付けるようになると思います。
褒め方を取り上げるならば、どんな褒め方が自信につながると考えるのかを示さなくてはいけません。例えば、もう少し工夫してみようと思わせる褒め方や、具体的にその場面が思い出せるような褒め方について述べます。
学校や研究機関から、自尊感情や自己肯定感を高める実践事例が多く報告されています。学習内容や指導方法を工夫するヒントをつかめます。参考にしてどんな学習内容にするのか、指導方法をどのように工夫するとよいのか、独自の取り組み方をまとめると実力が付きます。
元東京都公立学校長・塚田亮