日々の教育活動に関する面接の質問にどう対応するか、連載第23回は、引き続き「学級づくり」を取り上げる。
あなたが学級担任になったら、どのように学級づくりを進めていきますか。温かな雰囲気を持つ学級にするために、どのような取り組みをしますか。
学級は子供たちにとって生き生きと学校生活を送っていくための基盤である。
まとまりのある学級をつくり上げるためには、「一人一人が挑戦の意欲を持つ」という雰囲気を学級の中で醸成していきたい。よく学校では、学年の始まりや学期の始まりに、例えば6年生ならば「どんな6年生になりたいか」「最高学年としての心構えを考えてみよう」というような言葉掛けをしながら、その学年の過ごし方を考えさせることもある。
また学期の始まりでは、「この学期は何を頑張りたいか」「力を入れたいことは何か」のようなことを考えさせ、具体的な目標を考えさせる。
学級集団をまとめていくには、「存在感」「安定感」「成就感」といった雰囲気が必要だ。どちらかというと温かな雰囲気づくりである。相手の立場を考えて行動しよう、これを言ったら相手はどのような気持ちになるだろか、というように常に相手のことを考えた行動の取れる学級の雰囲気づくりが求められる。
加えて、「挑戦の意欲を持つ」という雰囲気である。共に成長しよう、一緒に頑張ろうといったように、やや競争的な要素を持った雰囲気なのである。
「良きライバル」「切磋琢磨(せっさたくま)」という言葉がこの雰囲気を適切に表現しているものである。自分の成長にとって良きライバルが存在するということは、大きく成長する上で欠かせないものである。互いに力を磨き合うということは、より一層自分の力を高めていく原動力となってくるものである。決して、相手を蹴落とすための競争ではなく、共に成長するための競争という理解を子供たちに深めていきたい。
自分が伸びることにより相手も伸びる、自分ができるようになることにより相手もできるようになる。このような関係性が重要である。そのためには一人一人の子供たちに、自分なりの目標や夢を持つことが基本なのである。
「子供たちが何事にも挑戦し、そのことで共に成長し合える、そんな関係性のある学級づくりを目指したいです。一人一人に目標を持たせ、応援し合い、相手の立場を考え、一緒に頑張る。いわゆる切磋琢磨するそのことを通して、温かい人間性のある学級づくりを進めます」などが回答例となる。