【他と差を付ける論作文(4)】採点官の評価を引き出すために 具体的な論述の在り方は

【他と差を付ける論作文(4)】採点官の評価を引き出すために 具体的な論述の在り方は
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 教職へのやる気と熱意を表現し、他と差を付ける論作文にするにはどうしたらよいか、そのポイントを紹介する第4回では論述する際の具体的な留意点を紹介する。

説得力ある論述とするには

 論作文の評価に関して、よく「説得力」のある論述になっているかが大きなポイントであるということが言われている。では、いったい「説得力」のある論作文とはどのような論作文なのだろうか。

 1つには、例えば「あなたはこのことについてどのように受け止めたか」という課題が与えられた場合、説得力とは、この受け止めに関しての論述者の考えや意見がどれくらい客観性を持っているか、という点である。独りよがりの考えや意見の主張にこだわった展開になってはいないかという点に気を付けたい。

 論述の背景に、例えば中教審の答申の内容に何気なく触れられているか、文科省などから出されている報告書などの内容が盛り込まれているかということが読み取れるような表現になっていることが望まれるのである。調査結果に基づいた論述も客観的な背景を持ったものである。いかに情報収集をしているかが評価の分かれ道である。

 2つには、的確な教育観に基づいた論述になっているかという点である。具体的な実践に基づいた教育観が形成され、その教育観に基づいた論述になっているかということである。例えば、体験したことにより、より一層確実な理解が得られるのではないか、といった考えに基づき、体験を重視した教育の在り方を論じていくといった展開である。

 3つには、体験を通しての具体的な事例が、問題の受け止めや、論述の内容、そしてさらには結論にしっかりと結び付けられているか、換言すれば、課題の受け止め、課題についての事例に基づいた論述、そして結論が一体的に示されているかということである。

 こうした説得力のある論文に仕上げていくためにも、問題を読んだらすぐに書き始めるのではなく、構想を練ってから書き始めることを大切にしたいところである。

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