新しい年になった。今夏の教員採用試験本番まで、あと半年となった。すでに受験する自治体は決まっているだろうか。まだ決めていない場合はすぐに決めて、その自治体に沿った試験対策を進めよう。
教採試験は、全ての都道府県および政令市などで実施されており、住民票のある自治体でなくても受験は可能である。実家のある地元で受験するか、現在学んでいる大学のある自治体にするか、全く別なところにするか、よく考えて早めに決めた方が良い。
各自治体には教採試験の特徴があるからだ。過去問を収集し、分析することで出題の傾向を知ることができる。教職教養などは広範囲に及ぶので、傾向を知ることにより効率的に勉強することが可能となる。
また、試験の方式などにも傾向がある。例えば、面接には個人面接のほか、集団面接、集団討論、模擬授業、場面指導などがあるがどれを実施するのか、いきなりがらりと変える自治体は少なく、踏襲するケースが多い。
論作文も試験時間、字数はほぼ同じであり、出題テーマにも傾向があるので、それに合わせて練習すればよい。
ほとんどの自治体でその年の採用試験が終了すれば、筆記試験問題の公開を始めるので、当該自治体のホームページなどで閲覧しよう。過去問は少なくても3年間分は集めると良いとされている。3年分くらいをチェックすると、どの分野がよく出題されるのかなど、その自治体の傾向が分かってくるので、これは欠かせない取り組みである。
その自治体の実態を知ることも重要である。小中高校などの学校数、教員数(男女別も)、その推移などを押さえておく。いじめ、不登校、校内暴力など問題行動のここ数年のデータもチェックして、頭に入れておく。面接や論作文に役に立つ。
各自治体が求める教師像も重要だ。多くの自治体では、「教科等に関する優れた専門性と指導力、広く豊かな教養を備える」「教育者としての使命感・責任感・情熱、子供に対する深い愛情を持つ」「豊かな人間性や社会人として良識を備え、保護者・地域から信頼を得る」などの教師像を掲げている。東京都では「(1)教育に対する熱意と使命感をもつ教師(2)豊かな人間性と思いやりのある教師(3)子供のよさや可能性を引き出し伸ばすことができる教師(4)組織人としての責任感、協調性を有し、互いに高め合う教師」、大阪市では「(1)教職に対する情熱、愛情、使命感を持ち、困難にも立ち向かえる人(2)広く豊かな教養を基盤とした、実践的指導力を備えた人(3)子供に対する教育的愛情と、カウンセリングマインドを備えた人」などが掲げられているので、これらを押さえ、面接の回答などに生かしていくのである。その自治体のことをしっかりと考えている、と思われ高評価につながる。
これらの情報のほとんどはネットなどで収集できるので、早めにチェックして今夏の試験に役立ててもらいたい。