【働き方改革のキーパーソン(8)】渉外業務と事務職員

【働き方改革のキーパーソン(8)】渉外業務と事務職員
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 「コミュニティ・スクール祭り」とでも言わんばかりに、どの自治体もコミュニティ・スクールの導入を進めている。例外なく勤務校にも学校運営協議会が置かれ、わたし自身も委員として、専門分野である学校予算に関する方針や執行状況、評価を提案している。

 今回は、渉外業務と事務職員の話をしよう。第3回で述べたように、事務職員には「渉外」という業務への期待も寄せられている。それは、受動的に担う受付業務ばかりでなく、当然、学校からの主体的なアプローチが必要な連絡調整なども含んでいる。

 コミュニティ・スクールに限らず、地域学校協働活動や学校評議員制度といった、地域住民と学校が一体となって教育に向き合う制度が浸透しつつある。人を集める会議では、周知・招集のために手紙を配布したり、出欠対応をしたりする必要がある。

 このような渉外業務を担っているのは教頭が多いだろう。しかし、教頭は「校務を整理」するという職務規定上、ニッチな仕事までも集中してしまう場合が多く、多忙化の要因にもなっている。全てを教頭が担うのではなく、事務職員との分業・協業が望ましい。特に地域連携担当を希望する事務職員は、積極的に地域との渉外業務に関わっていくべきだ。

 例えば、学校ボランティアのコーディネートを事務職員が担っている事例がある。家庭科の授業では、調理実習やミシン作業の補助があり、授業計画とボランティア受け入れ計画を有機的につなげることが可能である。有用性はそれだけではない。授業を担当していない事務職員の方がフットワークも軽くスムーズな対応ができ、先方に対しても余裕のあるスケジュールを提案できるだろう。教員の場合、授業の空き時間にやろうとすれば煩雑を極めるため、どうしても放課後が基本となる。このような事情もあって教頭が担当するのだろうが、これまで述べてきたように、事務職員の方が適任だ。

 さらに言えば、行政機関なども含めた外部機関との連携や調整も事務職員の得意分野である。生活保護や就学支援制度の面では福祉事務所やケースワーカー、税金関係では納税課や市民課、児童生徒の転出入ではDV避難などの対応から子育て支援課や児童相談所、学校徴収金業務では金融機関との関係もある。

 このように教委との関わりが中心である教員と比べ、事務職員の方が外部機関と連携する仕事が多い。そのため、学校外との連携・調整といった渉外業務は、事務局長的な立ち位置で事務職員が担っていくべきだろう。

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