初めまして。このたび「学びを『支える』授業づくり」というテーマで連載をさせていただくことになりました若松俊介と申します。読者の皆さまと一緒に「より良い授業づくり」について考えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
早速ですが、連載のテーマにも書いている「学ぶ」とは何でしょうか。この言葉についてじっくりと考えるだけでも面白いものがあります。
「『勉強』との違いは?」
「『知る』『分かる』との関連性は?」
「どんな姿が『学ぶ』のゴールになるのだろう?」
このように、いろんな「問い」が思い浮かぶのではないでしょうか。一度、辞書で言葉の意味を調べてみてもよいかもしれません。
「学ぶ」とは、「『自分』をつくること、生きること」だと私は考えています。学ぶことで、人は自分の世界を広げたり、新たな自分をつくったりすることができます。少し抽象的な表現かもしれませんが、日々の教育活動においてこうして表現したことを基に子どもたちが考え続けることを大切にしています。そうして子どもたち一人一人の学びを丁寧に受け止めて、支えていきたいと考えています。
それでは、「支える」とは何でしょうか。これもまたじっくりと考えると面白いものがあります。簡単に分かることだけが全てではありません。
「学ぶ主体である『子ども』を大事にすること」
「その子の学びがより良いものになるように支援すること」
「子どもたちが自分たちの学びを大事にし続けられるように関わること」
などと、自分なりの「こう考える」「こんな思いを持っている」を大事にしたいものです。
本連載では、「決める」「聴く」「拾う」「見取る」「つなぐ」「伝える」「任せる」といった子どもたちの学びを「支える」教師の働きについて、私が大事にしていることや考えていることを書いていく予定です。どれか一つだけを大切にすればよいというわけではありません。これら全てが重なり合うことで、より一層子どもたちの学びを「支える」ことができるようになります。子どもたちの学ぶ姿を想像しながら、「何ができるか」を一緒に考えましょう。
【プロフィール】
若松俊介(わかまつ・しゅんすけ)大阪教育大学小学校教員養成課程教育学コース卒業。大阪府の公立小学校で5年間勤務。現在は京都教育大学附属桃山小学校教諭。「国語教師竹の会」運営委員。「授業力&学級づくり研究会」会員。「子どもが生きる」をテーマに研究・実践を積み重ねている。『教師のための「支え方」の技術』(明治図書)、『教師のいらない授業のつくり方』(明治図書)などの著書がある。