部活動改革に取り組む上で、中学校長との連携は不可欠であり肝である。その点、私は区内の中学校長を務めていたこともあり、今でも8校の校長とは気心の知れた仲であることがプラスに働いている。
この間、毎月行われる自主中学校校長会には事務局長と一緒に出席し、説明の機会をいただいてきた。校長先生方はとても協力的で理解を示してくれている。その他に、副校長会にも出席した。さらには8校を1校ずつ訪問し、校長会や副校長会で伝えきれなかったことなどについて話をさせてもらっている。対面でお会いし、校長先生と時間・空間を共有することで関係がさらに深まり、意見交換ができて互いの気持ちが一致する。改革の手応えを感じる。
他自治体の取り組みにおいても、私のような校長経験者が地域移行のスタッフに入っていることで円滑に進んでいると聞く。この点も鍵だろう。
さらには小学校への働き掛けも行っている。いずれ小学生は中学生になる。小学生のうちから、渋谷ユナイテッドについて知ってもらうことが重要だからだ。
その他にも学校と共通認識を図るために、ほぼ毎日、「創造メモ」を作成し、校長や副校長ら中学校に送信してきた。「創造メモ」とは、部活動改革について、国の動向やこれまでの部活動の歴史など、部活動改革に関わる情報を学校に深く知ってもらい、渋谷のこれからの取り組みを理解してもらい、共に「部活動改革」を創造する(創り上げる)ために作成した資料である。
一般社団法人の設立までに99号を、設立後は名称を「ユナイト・メモ」と変えて56号を作成し、学校に送信した。こうして活字でも、学校に渋谷ユナイテッドを語り続けた。
教師との関係については今年の3月から月1回、ユナイテッド部活動を進めるためのサッカー部準備会を開催している。そこにサッカー部の顧問である教員が複数参加しており、彼らとは密に話をさせてもらっているが、他の教員に対しては校長・副校長を飛び越えて直接に働き掛けを行うことはしていない。しかし今後、他の種目の顧問にも集まってもらい、話の場を設けることにしている。
休日の部活動移行で教員以外の外部指導者が指導するようになれば、教員が休日に指導に携わることはなくなる。しかし、平日の部活動を地域移行するのは容易ではない。外部指導員などを配置することがどれだけできるか。現実として厳しい状況である。人材がいないからだ。しかし、平日の移行ができてこそ「部活動改革」は達成される。
渋谷ユナイテッドは当然、平日も含めた部活動の完全地域移行を目指している。もし、外部指導員がそろわないようであれば、その間、教員に兼業兼職をしてもらいながら平日の部活動を維持し、子どもたちのスポーツ・文化活動を止めることがないようにしていきたい。