【子どもが本来もっているものを引き出す「しつもん」(3)】聴く力を引き出すしつもん

【子どもが本来もっているものを引き出す「しつもん」(3)】聴く力を引き出すしつもん
【協賛企画】
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 第3回目はいよいよ実践のお話です。しつもんを進めていくには「聴く」ということが本当に大切です(ここでは「聞く」ではなく、耳と目と心をいっぱい働かせている「聴く」とあえて表記しています)。聴く力をより引き出すために聴き方のポイントを示します。

・温かい気持ちで聞く(全てを受け入れる)

・相手の目を見て聞く

・うなずきながら興味深そうに聞く

 これらのポイントを確認したら、次のような「しつもんサイコロトークゲーム」でさらに効果を上げていきます。

<しつもんサイコロトークゲーム>

【準備物】

・サイコロの目の数と話題が書いているカード(黒板に書いたりプロジェクターで映したりするのでもよい)

・サイコロ(グループの数分)

【やり方】

①3~4人で1グループになる。

②サイコロを転がして出た目の話題について話す。

③聞き手は先ほどのポイントをもとに聴く。

④話題について話が思い浮かばないときなど「分からない」はOK。後で思い浮かんだら話してもよい。

 このような手順でゲームを進めます。初めてのときはなかなかうまくいかないものですが、途中で聴き方のモデルを示せるようであれば、一度ストップして心地の良い聴き方について考えながら進めていきます。例えば、「この班はみんな笑顔でうなずいていますね」「聞いた後に軽くですが、拍手をしていますね」(やり過ぎると周りに迷惑ですが…)というように褒めます。

 そして、一通りゲームを終えた後にしつもんします。

 「今日このゲームを通してどんなことを学びましたか?」

 このしつもんにより温かな気持ちがたくさん出てきます。そのときの発言を聴く全体の子どもたちの姿勢も、きっと褒めてあげられる雰囲気のはずです。

 発言をもとに、さらに「どうしてこんなに良き学びができたのかな?」としつもんすると友達がいることの良さや聴くことの大切さなどの気付きが出てきます。そんなときは出てきた友達にその場で立ってもらい、みんなで拍手を送るとさらに良い雰囲気になります。このように授業をしつもんベースにして進めるだけで、温かな雰囲気が想像できそうですね。

 その他に、学校行事(宿泊学習)などの振り返りにおいても、サイコロトークが使えます。宿泊学習などでは振り返りの際に行うと、より具体的で楽しさが伝わる文章が書けます。聴く力を引き出すこれらのしつもんにより、クラスがどんどん高まっていきますのでぜひ活用してみてください。

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