若手さん「グスッ、しくしく…職員室に誰も話せる先生がいなくて…」
ミドルさん「これまで一人で抱え込んでつらかったね。もう大丈夫だよ。何でも話してごらん」
あなたの学校の若手教員は、周りの先生方と話せていますか?
若手教員からすると、自分から先輩に話し掛けるのはハードルが高いものです。「ちょっとうっとうしいな」と思われる覚悟をもって、「ちょっぴりおせっかいな先輩」になったつもりで話し掛けましょう。
経験年数が増えるほど、つい「最近の若い人は…」とか「若い人の考えていることは分からない」などと言ってしまいがちですが、若手教員の様子が見えなくなってしまうのは、こちらから積極的に話そうとしていないためです。話のきっかけは「ご飯ちゃんと食べてる?」「今朝は天気がいいね」など、何でも構いません。とにかくこちらから声を掛けることです。
また、若手教員の周辺にいる子どもについて、自分の目から見たことや感じたことをポジティブに伝えてあげると、若手教員にとっては心強いものがあります。他教科の先生や、他クラスの先生から自分のクラスの子どもの様子を聞けると安心します。
ミドルさん「そういえば、先生のクラスの生徒たち、理科の実験の手際がすごく良かったよ。昨日、先生が班で協力することについて話をしてくれたおかげじゃないかな。」
若手さん「ありがとうございます。子どもたちに話をした甲斐がありました!」
若手教員は、他の先生の目を通して子どもの姿を知ることによって、これまで知らなかった子どもの一面が見えてくるだけでなく、その先生の教育観や子どもの見方を知ることもできて、とても勉強になります。勤務校に後輩の若手教員がいたら、自分のクラスや担当の児童生徒だけでなく、若手教員の周辺にいる子どもたちにも目を向けて、感じたことをポジティブに伝えてあげましょう。
慣れてくると、若手教員から逆に話し掛けられることもあるかもしれません。その際には、他に仕事があったとしても最初は「聞くこと」を優先して、話を聞いてあげましょう。忙しくて余裕がないときもあるでしょうが、地道に話を聞き続けることによって信頼が得られ、サポートがしやすくなります。若手教員を職員トイレやSNSのようなクローズドな環境に追い込まないよう、悩みや思っていることをオープンにできる場をつくっていくことが大切です。