若手さん「グスッ、しくしく…仕事ができていなくて学年主任に怒られてしまいました…」
ミドルさん「そうだったんだね。どうすればうまくいくか一緒に考えてみようか」
前回、若手教員に仕事を「任せる」ことが大切だとお話ししましたが、若手教員がやりたいことにチャレンジするためには、学校として校務がスムーズに回っていなければいけません。つまり、「当たり前のことが当たり前に機能している」ことが大切です。土台がしっかりと作られていなければ、逆にやる気に満ち溢れた若手教員を混乱させてしまい、足を引っ張ってしまうことになりかねません。
「若手の足を引っ張る学校」とは、次のような学校です。
・学年間や教員間に溝がある
・前任者からの引き継ぎがない
・仕事について教えてくれる人がいない
・若手教員に仕事を任せる余裕がない
冒頭で泣いていた若手教員の話の続きですが、彼女は校外学習の担当を任されていました。「昨年の資料を参考にしてね」と言われたものの、ところどころ資料が抜けており、自分では分からない箇所がありました。しかし、学年の教員はいつも職員室の座席を離れて忙しくしていて、なかなか聞くタイミングがありません。昨年担当した先生は異動してしまっています。他の学年の先生に聞くことも考えましたが、学年同士の仲があまり良くないため、なんとなく聞きづらい雰囲気があります。そうしてタイミングを見計らって「後で相談してみよう」と思っているうちに生徒対応に追われてしまい、学年主任から「えっ、まだやってなかったの?早めに相談してくれればよかったのに」と言われてしまったそうです。このように、若手教員が空回りしてしまうケースは少なくありません。
任された仕事について知るすべがないと、目先のことでいっぱいになってしまい、疲弊してしまいます。やる気に満ち溢れた若手教員の足を引っ張らないようにするために、後輩をもつミドルリーダー層の先生方は、次の3つのことを意識して動くことが大切です。
①教員同士の垣根をなくす
②若手に仕事を教える
③学校の仕事がうまく回るようにする
若手教員に任せた仕事がうまく進まない場合、本人のせいだと決め付けて責めるのではなく、まずは学校の運営体制や仕組み、周囲の教員の関わり方に目を向けて、見直していくことのできるミドルリーダーでありたいものです。