【若手が輝く学校づくり(5)】「隣の芝生は青く見える」2~3年目に必要なサポートとは

【若手が輝く学校づくり(5)】「隣の芝生は青く見える」2~3年目に必要なサポートとは
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 若手さん「グスッ、しくしく…」

 ミドルさん「(えっ!3年目の若手さんが泣いている…いったいなぜ?)どうしたの?」

 若手さん「授業をしていたら、隣の教室から笑い声が聞こえてきて…盛り上がってるんです」
ミドルさん「えっ!それでどうして泣いているの?」

 若手さん「私の授業では全然笑ってくれない生徒たちが、〇〇先生の授業では盛り上がっていて…自分の授業がつまらないって言われているように思えてしまって、つらいんです…」

 現場に出て2~3年がたつと、「隣の芝生は青く見える」現象が起きます。周りと比較して、「あの先生に比べて、自分の学級経営は全然駄目だなぁ」「〇〇先生は子どもから信頼されているのに、自分は…」などと、自信をなくしてしまうことが増えてきます。また、人と比べなくとも、2~3年目になると先輩から「あれやった?」「これやった?」と声を掛けてもらうことが減り、「なんとなく不安だな…」「自分はちゃんとできているのかな…」などと漠然とした不安に襲われる若手教員もいます。

 そんな若手教員には、その人が持っている良さや、できていることに気付かせるようなサポートをしていきましょう。冒頭の若手さんには、こんな言葉を掛けてみてはどうでしょうか。

 ミドルさん「なるほど。確かに〇〇先生は生徒を笑わせるのが得意だよね。でも、生徒たちはあなたの授業はすごく丁寧で分かりやすいって言っていたよ。一人一人の表情をちゃんと見て、毎日悩みながら丁寧に準備しているからだと思うよ。あなたはどんな授業がしたいの?」

 トイレで泣いている若手さんを前に向かせるためには、子どもの言葉を借りるのが一番です。多少脚色したとしても、「あなたにはこんな良さがあるよ」「あなたらしさがこんなに子どもの力になっているよ」などとポジティブなメッセージを伝えると前向きになれます。

 先輩教員からすると、若手教員の悩みを聞いて「どうしてそんなことで悩むの?」「気にし過ぎじゃない?」と思うことも多いかもしれません。私も教師になりたての頃は、周りの先生たちと自分を比べて劣等感を抱いてばかりでした。もちろん、自分を客観的に見て反省することは大切ですし、周りの様子を観察できるようになったということは、成長の証しでもあります。しかし、比較ばかりしていると自分に自信をなくしてしまい、どんどん表情が曇ってしまいます。だからこそ、初任者を卒業した若手教員には、「子どもが100人いれば、いい先生も100通りいるんだよ」「今のままでも十分ちゃんとやれていると思うけど、どうしたいの?」「これからもっとあなたらしく楽しくやっていける方法を一緒に探していこうよ」などと寄り添える先輩でありたいと私は思っています。

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