若手さん「(学年主任、「雑務は俺の仕事じゃない」って感じで、細かい仕事は手伝ってくれないんだよなぁ。みんなでやれば早く終わるのに、人手も足りないし困ったなぁ…。)」
ミドルさん「(あれ?あの学年主任、若手に任せっきりだぞ…周りの先生たちは困っていそうなのに、気付いていないのかな?)」
こんな光景を見たことはないでしょうか。どうやら若手さんたちは、年度初めの教室整備や下駄箱のシール貼りなど、名もない仕事をしているようです。
「あまり仕事をしない人」や「ちょっと困った人」は、どの組織にもいるものです。心の中では、誰もが「困ったなぁ」「もっとこうしてほしいなぁ」と感じているものの、相手がベテランであればあるほど、なかなか直接お願いすることができず、ストレスがたまってしまいます。
そんなときこそ、ミドルリーダーの出番です。ミドルリーダーの役割は、若手とベテラン(管理職を含む)のパイプ役になることです。若手の心の中にある「こんなこと言えない」という不満や疑問をうまく代弁してあげると、みんなが幸せに働けるようになります。
その際、伝え方には気を付けましょう。コツは、年度当初や学期初めの会議など、何かを始めるタイミングでの「提案」という形にすることです。全員が共通の目的を意識しているタイミングがお勧めです。最上位の目的の下での手段の一つとして提案すれば、誰も傷つけることなく伝えることができます。
例えば、冒頭の会話で仕事に非協力的だった学年主任には、ミドルリーダーから「今年は小さなことでもみんなでやることにしませんか?そもそも私たちの目的は〇〇ですし…」と提案をしてみます。これまで疑問を感じていた若手教員も「今まで誰も言えなかったことを代わりに言ってくれてよかった」と内心ほっとすることでしょう。
また、若手のロールモデルとなりそうなベテラン教員と若手教員とをマッチングさせることも、ミドルリーダーの大切な役割です。
若手さん「うちのクラス、給食の準備が遅くて…どうしたら早くなるんでしょう…」
ミドルさん「それなら、〇〇先生のクラスが参考になるよ!一度見学してみたらどうかな?〇〇先生~!若手さんが給食指導で悩んでるらしくて、よかったらぜひ!」
こんな具合にマッチングさせると、若手教員は救われます。若手教員が困ったときに相談したり頼ったりできる相手は、選択肢が多いに越したことはありません。そのためにも、日頃からいろいろな先生の情報を集めて、若手教員が話し掛けやすい関係づくりをコーディネートすることが大切です。そうすることで、若手教員だけでなくベテラン教員も居心地が良くなり、「誰一人取り残さない職員室」の実現に一歩近づくことができるでしょう。