【先生が幸せに働くためにできること(3)】土日やめますか?仕事辞めますか?

【先生が幸せに働くためにできること(3)】土日やめますか?仕事辞めますか?
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 「土日やめますか?仕事辞めますか?」そして「遅い仕事は誰でもできる」

 1年目の時の学年主任の口癖でした。「本来は土日は休みだけど、その日も仕事をしなさい」という意味で、私にそう言ったのだった。

 私は1年目だったので、その言葉を当たり前のことだと思いそのまま受け取り、仕事は辞めたくないから土日を休日らしくゆっくり過ごすのをやめて、ほぼ毎週学校へ行って仕事をしていた。積み残してしまった仕事をするために、来週の自分を少しでも楽させるために、学年に少しでも迷惑が掛かる量を減らすために、そして土日に仕事に行かないと職場の先生方にどう思われるのかが怖くて…。「自分が仕事をしたいから」という積極的な理由ではなかったので、キツくて仕方がなかった。

 数年後、私より2~3歳ほど先輩の先生が異動してきた。その先生は定時に帰るし、土日も仕事はしない。私が1年目の時に組んだ学年主任は、もちろんこの先生のことを快くは思っていなかった。そんな定時帰りの先生にある日、「送っていくから一緒に帰ろう。今、すぐに!」と声を掛けられた。時計を見ると17時、ぴったり定時。定時だから帰っていいとは思う一方で、空が暗くなっていない時間に帰ることに罪悪感でいっぱいの私がいた。でも、一緒に帰ってみることにした。先輩に誘われたから仕方なく…という雰囲気を出しつつも私は少し、いや、すごくうれしかった。

 でも、やはり考えてしまう。「明日の授業、大丈夫かな…」「周りの先生は早く帰った私のことをどう思ったかな…」と。私は不安でいっぱいになった。そんな私を見て、先輩先生はこう話した。「私はね、この仕事が好き。そして、この仕事を続けたい。でも、いつかできる旦那さんや自分の子どもも大切にしたい。そうなったらね、遅くまで働くのも土日に学校へ行くのも私はできないって思ったの。誰にどう思われてもいい。仕事しないやつって思われてもいい。だけど、好きな仕事をずっと続けたいから、私は限りある時間の中でやりくりしていきたいんだ」

 正直、聞いたその時は「そんなこと言っても、仕事量は変わらないし、誰かがやらなければいけないんだから…」と思っていた。でも、数年後の今の私は家庭と子どもができて、その先輩の言葉が身に染みる。好きだからこそ、持続可能に働きたい。無理はしたくない。家庭があっても子育てをしていても、大丈夫な働き方を自分自身で見つけていきたいと思っている。

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