公立小学校教員
私は若手の頃、子どもを指導してもなかなかうまくいかなかった。それは、私が「怖くないから」だと思っていた。背が低いから、童顔だから、若いから、女だから、どんなに叱っても、どんなに注意しても響かない。怖くないから私の声は届かないんだ。怖くならなきゃ、威圧的にならなきゃ…と考えていた。
教員をしている友達に、「今、2年生の担任だよ」と伝えると、こう言われたことがある。 「低学年の担任は、仕事のできない人か、仕事をしない人がやるよね」 確かに高学年の担任はコマ数も教科数も多く、宿泊行事もある。
特別支援学級は楽。学校を動かすのは通常学級。経験して勉強するのはよいと思うけど、ずっといるとその人のためにならない…。残念だけれど、「特別支援学級は、仕事ができない先生が行く場所」と考えている先生が、まだいる。一定数いる。私が特別支援学級の担任だった時、このような言葉を掛けられることがあり、そのたびに悲しい思いをした。
友人が、わが子の担任の先生から言われたらしい。「お子さん、発達検査を受けませんか?」と。友人はその言葉がショックで、すぐには受け止められなかったそうだ。なぜそんなことを言うのかと、怒りの感情が湧いてきたこともあったという。心を切り替えられ、わが子の姿と成長を受け入れられたのは、数年後のことだったらしい。
わが子の授業参観に参加するために、授業を数時間ほど中抜けしたことがある。その時、子どもたちに「娘の授業参観に行ってくるね」と言ってみた。どんな反応するかな、言ってよかったのかな…少し不安になりながらも、そう言ってみた。
「妊婦のクラスは荒れるよ」 かつてそんなことをベテランの先生に言われたことがある。 「どうしても自分の体のことで休みがちになってしまうでしょ?そうするとね、子どもたちが『自分たちを大切にしてもらえていない』って思ってしまうんだよ。だからどんどん子どもたちとの距離ができてクラスが大変になってしまうんだよ」と。
先輩にこう言われたことがある。 「もし38度の熱を出したとしても、私は出勤するかな。37度台なら当たり前に出勤する。38度台ならちょっと頑張って出勤する。39度台でようやく考える。だって私は、クラスの歯車じゃなくて、歯車を回す本体だから。私がいないと進まなくなってしまう。いつもより少し早く退勤するくらいはするけど、早退したり休んだりはしないかな」
「土日やめますか?仕事辞めますか?」そして「遅い仕事は誰でもできる」 1年目の時の学年主任の口癖でした。「本来は土日は休みだけど、その日も仕事をしなさい」という意味で、私にそう言ったのだった。....
運動会当日の朝、「若手は6時くらいに出勤して早めに準備しておくこと」という不文律があった。午前6時、始発に乗っても間に合わない。だから車を持っている先生に乗せてもらったり、家が近くの先生とタクシーを乗り合わせたりして、なんとか間に合うように出勤していた。
「無理しなくていいよ」 「具合が悪かったら休んでね。年休は権利だからね」 そう言っていただけて、本当にありがたい。でも、ただでさえ学校現場は人がいない状況。....
広告ブロック機能を検知しました。
このサイトを利用するには、広告ブロック機能(ブラウザの機能拡張等)を無効にしてページを再読み込みしてください