トラブルは起きるものだと思って対応する――これが大原則だと思っています。トラブルが起きないように、いつも教師が舗装した道路を用意してばかりいては、自分で歩く力が付きません。大切なのは、子どもが自分自身でトラブルを解決していく力を付けていくことでしょう。
ただ、そうは言っても、トラブルを最初のうちは、教師がある程度解決することも必要です。今回は、小さなトラブルが起きたときにどう解決していくかを紹介します。
トラブル対応のポイントは、①丁寧さ②スピード感③報連相の3つです。
①の丁寧さとは、正確に事実確認をして対応することです。事実確認が甘いと、後でもっと大きなトラブルになります。
②のスピード感とは、できるだけ早く対応することです。原則、起きたトラブルはその日のうちに解決することで、子どもたちも安心できます。
③の報連相とは、この情報を必要としている人へ、しっかりと報告、連絡、相談をすることです。例えば、トラブルが起きたとき「学年主任に伝えた方がいいんだろうか…」などと迷ったなら、間違いなく伝えた方がよいでしょう。伝えて困ることはないからです。これは、保護者への連絡も同じです。迷ったときは、しっかりと電話で連絡をします。連絡帳で伝えるだけだと、伝わらない情報がどうしてもあるからです。
さて、これら3つを意識した上で、けんかが起きたときにどう対応するか考えてみましょう。
事例…2年生のA君とB君がドッジボールで当たったか、当たってないか、取っ組み合いのけんかをしています。あなたならどう対応しますか?
このような状況は、現場では本当に発生します。こうした状況に、瞬時に対応する力が教師には必要です。
どのように対応するか例を示します。
◆けんかが起きたときの対応手順
①落ち着いてから話す(場所を移動、背中をさするなどしてクールダウンさせる)
②1人1回ずつ言い分を聞く
「今から、1回ずつお話を聞きます。自分がやられて嫌だったことと、自分がちょっとでも、やってしまったことを正直に話してね。相手が話しているときは、絶対に口を挟んではいけません。後で必ず聞くからね」と言い、しっかりと事実確認をします。
③子どもに判断させる
「お互い良くないところがあったようだけれど、どうする?」と、子ども自身に判断(謝罪)をさせます。
④「何か言い残したことある?」
私は必ず、最後にこう聞くようにしています。この言葉によって、子どもの心に刺さったとげが本当に抜けているのか、丁寧に確認することが大切です。
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