桜美林大学准教授
いよいよ本連載も最終回となりました。前回は保護者や教師など、子どもの支援者の方々に向けて、支援者自身もストレスやトラウマを体験することやセルフケアを行うことの大切さについてお伝えしました。
保護者や教職員は、家庭や学校など子どもたちが多くの時間を過ごす場において、子どものケアやサポートを提供する身近な支援者となります。今回は、子どもの周りの大人、保護者や教職員の心のサポートについてお伝えします。
ストレスやトラウマについて知り、対処方法を学習する機会を提供することは、子どものレジリエンス(回復力)を高めることにもつながります。
第6回で紹介したサイコロジカル・リカバリー・スキル(SPR)は、主として精神保健領域の専門家である対人援助職が用いることを想定したものです。一方、初期対応で用いる心理的応急処置(PFA)以外にも、非専門家である周囲の大人(親や教師)が子どもの心のサポートのためにできることがあります。
心理的応急処置(PFA)は、子どもたちが出合うかもしれない災害、犯罪、事故などの危機的な出来事の最中や直後、虐待を受けた子どもへの即座の支援的介入として、全ての支援に関わる人が実践できる初期対応です。今回は、中期以降の心理的支援について紹介します。
第4回に続き、第5回では心理的応急処置(PFA)の行動原則とさらなる支援を必要とする場合の見分け方を紹介していきます。PFAの行動原則は、「見る(Look)」「聴く(Listen)」「つなぐ(Link)」です。英語の頭文字をつなげると「3L」になります。
子どもたちが衝撃的な出来事を体験した際、子どもの心を守るために、周りにいる養育者や教師たちはどのようなことができるでしょうか。
衝撃的な出来事だけではなく、日常生活で起こる何らかの変化は人々にとってストレス(=刺激)となり、ストレス反応を生じさせます。通常のストレス反応とトラウマ反応の違いは何なのでしょうか。端的に言うと、危険な(ストレスフルな)出来事が過ぎ去っても、元の状態に戻らない状態を「トラウマ」と呼びます。今回は、トラウマ反応とその影響について紹介します。
前回は、衝撃的な出来事は直接体験するだけでなく、メディアを通して間接的に見聞きすることによっても、ストレス反応を生じさせることについてお伝えしました。今回は、子ども特有のストレス反応について、もう少し具体的に紹介します。
新型コロナウイルスの感染拡大から2年余りの月日がたちましたが、今なおその影響は続いています。2022年は、「ロシアによるウクライナの軍事侵攻」「安倍晋三元首相の銃撃事件」「芸能人など著名な人の自殺」など、衝撃的な出来事が数多くありました。
児童生徒主体で進んでいくPBLは、ただ楽しいだけでは多くの学びを得ることができず、共に乗り越えたことのない境界を越えていく経験が大切です。 その過程では経験したことのない困難が待っており、お互いを非難したり誰かのせいにしたりする状況も生まれます。そこで重要になるのが「グラウンドルール」の設定です。
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