新学期の学校再開通知 文科相、2つのガイドライン示す

3月初めから続いている全国の小中高と特別支援学校の一斉休校について、萩生田光一文科相は3月24日の閣議後会見で、春休み終了後の新学期から、万全の感染症対策を講じた上で、学校を再開するよう求めた通知を同日付で都道府県などの教育委員会に出した、と表明した。通知には、登校時の検温の義務付けや集団感染のリスクへの対応方法などを示した「学校再開ガイドライン」と、再開後に児童生徒や教職員の感染などが確認された場合に備え、出席停止や臨時休校の判断基準を示した「臨時休業の実施に関するガイドライン」を添付した。

学校再開を判断した理由を説明する萩生田光一文科相=3月24日、国会内

萩生田文科相は、学校再開を判断した理由について、「一斉休校を始めたときよりも状況が改善しているわけではない。むしろ感染者が増えている地域もある。なぜ学校を再開するのかというと、国民の感染防止に対する意識が高まっているという認識があるから」と説明。「一人一人の『行動変容』と『強い行動自粛の呼びかけ』が必要な厳しい状況に変わりはない。子供たちを守る教育関係者はこの認識を大前提に、春休み期間も含め、警戒を緩めず、準備を進めてほしい」と、緊張感を維持しながら学校再開の準備を進めるよう訴えた。

カメラの放列に囲まれながら、学校再開のガイドラインを説明する萩生田光一文科相=3月24日、国会内

また、欧州で起きているような爆発的な感染拡大(オーバーシュート)が起きた際の対応を記者団に問われ、「オーバーシュートが発生したと認められた場合には、(今回の通知とは)違う対応を考えなければならない。国から改めて休校の要請をすることも選択肢に入れておかなくてはならない」と答えた。

政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は3月19日に示した状況分析・提言で、オーバーシュートが発生した場合には、「感染状況が拡大傾向にある地域」「感染が終息に向かい始めている地域、ならびに一定程度に収まっている地域」「感染状況が確認されていない地域」という3つの地域別感染状況別に応じて対策をとる必要を指摘。「感染状況が拡大傾向にある地域については、一定期間学校を休校にすることも一つの選択肢」としている。

◇ ◇ ◇

文科省が通知に添付した、2つのガイドラインの概要は次の通り。

《学校再開ガイドライン》
  1. 保健管理の徹底
    • 家庭と連携した毎朝の検温および風邪症状の確認
    • 登校前に確認できなかった児童生徒には保健室などでの検温および風邪症状の確認
    • 手洗いや咳(せき)エチケットの徹底
    • 多くの児童生徒が手を触れるドアノブ、手すり、スイッチなどは、消毒液などで清掃
    • 免疫力を高めるため、十分な睡眠、適度な運動やバランスの取れた食事を指導
    • 集団感染が発生する3つの条件(換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、近距離での会話や発声)が同時に重なる場を徹底的に避ける
    • 3条件の重なりを避けるため「換気の徹底」「近距離での会話時にマスクを使用」を実行する
    • 児童生徒の感染が判明した場合、児童生徒が感染者の濃厚接触者に特定された場合には出席停止の措置をとる
    • 医療的ケアが日常的に必要な児童生徒への配慮
  1.  学習に著しい遅れが生じないよう、補充授業・補習・家庭学習を実施
  2. 入学式などの学校行事では、3条件が重ならないよう対策をとる
  3.  部活動の実施では、3条件が重ならないよう工夫する
  4. 学校給食では、配膳する児童生徒の観察強化や会食時の席を工夫する
  5. 教職員が罹患(りかん)した場合や濃厚接触者である場合には出勤させない
  6. 放課後児童クラブなどの密集性を回避するため、学校施設を開放する
  7. 経済的に困難を生じた家庭に対し、入学料の減免や就学援助の実施など支援を行う

 

《臨時休業の実施に関するガイドライン》
  1. 臨時休業の実施は、感染者の症状、学校内の活動の様子、接触者の多寡、地域における感染拡大の状況、感染経路などを総合的に考慮し、都道府県などの衛生主管部局と十分に相談し、「感染した児童生徒や濃厚接触者の出席停止のみ」か「学校の全部または一部の臨時休業実施」かを判断する
  2. 学習に著しい遅れが生じないよう、家庭学習に加え、登校日を設定する
  3. 保護者のみが出席する行事などを活用して教科書が遅滞なく給与されるよう対応する
  4. 学校給食を休止する際には保護者や関係事業者と必要に応じて協議する
  5. 非常勤職員を含む、教職員全体の働く場を確保
  6. 放課後児童クラブなどの密集性を回避するため、学校施設の活用を推進する

 

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