濃厚接触者の入学試験、タクシー利用も可能に 文科省通知

 入学試験シーズンの到来に先立ち、文科省は1月7日、オミクロン株を含めた新型コロナウイルス感染症の無症状の濃厚接触者が中学、高校、大学などの入学試験を受験する場合、これまで公共交通機関を利用しないことを要件としていたが、一定の条件を満たした上で、タクシーやハイヤー、海上タクシーの利用を可能とすることを認め、都道府県教委などに通知した。地域事情などにより、タクシーを確保できない受験生が出る事態に備え、文科省に相談窓口を設置し、受験機会の確保を図るとしている。

入学試験の感染対策を説明する末松文科相

 末松信介文科相は同日の閣議後会見で、濃厚接触者となった受験生の交通手段を見直した理由について、「感染拡大の防止は引き続き重要なものと考えているが、受験は一生の中で非常に大事なこと。1人でも多くの受験生に受験機会を確保するために、より配慮ができないかという思いから事務方に検討を指示した」と説明した。

 2022年度大学入学者選抜の試験実施ガイドラインによると、濃厚接触者の受験要件として、①PCR検査が陰性であること②試験当日も無症状であること③終日別室で受験すること④公共交通機関を利用しないこと--の4つが示されている。このうち、④の交通手段については、大学入学者選抜実施要項のQ&Aで、「自家用車のほか、レンタカーなど、無症状の濃厚接触者である受験生とその同乗者が確実に特定できる交通手段」と説明してきた。

 今回の通知では、このQ&Aにある無症状の濃厚接触者の受験生が利用する交通手段の想定を変更。タクシー、ハイヤー、海上タクシーについて、▽感染対策を講じている事業者の車両を利用すること▽利用車両が特定できるよう、予約を行うこと。その上で、他の乗客と乗り合わせずに利用をすること--を条件に、利用可能とした。Q&Aでは、いわゆる流しのタクシーは利用しないことを明記している。

 タクシー事業者に対しては、こうした無症状の濃厚接触者の受験生による利用について、国交省が周知する。

 さらに、文科省では、地域によってはタクシーの事業者や台数が少ないことから、予約をしたくても予約ができない受験生が出てくるケースに備え、相談窓口を設置。国交省と連携して、予約できるタクシー事業者を紹介するなど、受験生の受験機会の確保を図る。こうした無症状の濃厚接触者の受験生への対応は、大学受験だけではなく、高校や中学校の入学試験でも、同様としている。

 2022年度の大学入学共通テストでは、1月15日・16日の本試験を体調不良などで受験できない場合に備え、同29日・30日に追試験を全ての都道府県で実施する。また、各大学の個別試験でも、ほぼ全ての大学で追試験または振替受験の実施が予定されている。

 前年度の共通テストでは、新型コロナウイルス感染症への感染や濃厚接触者となったことなどを理由に、191人が別室で試験を受けた。

 末松文科相は「来週15日から共通テストが始まる。受験生の皆さんには、これまでの努力の成果を十分発揮できるように、体調管理はもとより、基本的な感染対策を徹底していただきたい。試験場となる各大学においても、感染対策のガイドラインに則して、試験の準備に引き続き万全の対応をしていただくよう、心からお願い申し上げる」とメッセージを述べた。

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