地理、生物、物理、数学、化学の国際科学オリンピックの結果が7月19日、文科省から発表され、5教科・科目で金メダル6人を含む、21人がメダルを獲得した。「第18回国際地理オリンピック」で銀メダルを獲得した佐藤弘康さん(栄東高校3年)ら高校生4人は同日、末松信介文科相を表敬訪問。佐藤さんは「大会を通じて、都市工学に通じることなど学校ではなかなか学べないことも勉強できた。これからの学習に取り入れたい」と意欲を見せた。
この日、文科省を訪れたのは国際地理オリンピックに日本代表として出場した4選手。佐藤さんのほかに、岩倉治輝さん(筑波大学附属駒場高校2年)、森田晃弘さん(灘高校3年)、新山慶悟さん(宮城県仙台二華高校3年)。岩倉さんと森田さんは銅メダルを獲得した。
国際地理オリンピックは、1965年にエストニアの大学生が企画した「環バルト海地理競技会」から始まり、日本は2008年から参加して以降、毎回4人の選手を派遣している。今回はフランス・パリで行われる予定だったが、コロナ禍のため、7月12~18日にオンラインで開催。54カ国・地域から209人が参加した。
地理オリンピックでは暗記力ではなく、「場所を見抜く力」と「的確に表現する力」が問われる。試験は地形図や資料を正確に読み取る「記述」。写真や地図、グラフなどを使った4択問題の「マルチメディア」。あらかじめ定められたコースを歩き、チェックポイントで地形断面図や土地利用図の作成などを行う「フィールドワーク」の3種目で行われた。問題は全て英語で出題され、英語での解答が義務付けられている。
表敬後に取材に応じた佐藤さんは「問題が非常に難しく、メダルが取れるか怪しいなと思っていたので、ほっとしている」と喜んだ。岩倉さんは「オリンピックに向けて勉強する中で、地学や都市地理学など幅広い知識や視点を身に付けられた」と話した。森田さんは「英語力がかなり問われる試験だった。この結果を今後の進路に生かしていきたい」と話した。
メダルを獲得した3人には文部科学大臣表彰、新山さんには文部科学大臣特別賞が贈られ、末松文科相から一人一人に賞状が手渡された。
また生物、物理、数学、化学の各国際オリンピックの結果も発表された。化学オリンピックでは出場選手4人全員が金メダルを受賞するなど、4教科で計6人が金メダル。8人が銀メダル。4人が銅メダルを獲得した。
地理以外の結果は次の通り。