第10回 効率的・効果的な会議を実現する「ファシリテーション」

第10回 効率的・効果的な会議を実現する「ファシリテーション」
【協賛企画】
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 会議の質は組織の質と言えます。また、会議の質は実践・支援の質を左右します。学校において日常的に行われている会議、うまくいっていますか?終わり時間なき話し合い。話し合っても具体的な方策が出ない。そもそもうまく進行されない。会議に対してこのようなネガティブな印象はないでしょうか。

 私はポジティブ行動支援の一環として、必ず学校での会議を点検するようにしています。点検の中でも最も重視することは、会議時間は決まっているか(効率的)、全員が会議に参画できているか(全員による意思決定)、そして実態に即した具体的な方策は生まれているか(効果的)の3つです。

 これら3つを実現するために、私はファシリテーションの「集約」→「収束」→「決定」→「共有」の4つのステップで会議を運営し、さらにこの中の「共有」以外をなるべく非対面かつオンラインで実施することも推奨しています。


会議におけるファシリテーションのステップ

会議におけるファシリテーションのステップ


 この方法では、まずはグーグルフォームを活用し、学校全体から意見を集約します(①意見の集約)。「なわとび週間」の取り組み後の会議を例に挙げると、実施時期や方法、目標などについて意見を集約します。そして、フォームで出された意見から、どのような意見が出ているか、どのような検討が必要かを取りまとめます(②意見の収束)。例えば「なわとびとマラソンの時期を変更してはどうか」、また「1年生のなわとびの目標を変更してはどうか」といった意見を検討することに収束されたとします。次に、これら検討議題について、会議に参加するメンバーがどのような考えを持っているのかを事前にグーグルスプレッドシートで聞いておきます。これにより全員の意見を集約でき、それらをもとに意思決定を行い、最終的な方策を決定してメンバーに方策を提案します(③方策の決定)。提案された方策について対面でメンバーの意見について共有し、適宜見直しも行います(④方策の共有)

 このような手順によって会議を行うことで、会議時間は約3分の1になります。さらに全員がオンライン上で意見を言えるため、全員の意見を踏まえた最善の方策が選択できるようになります。

 非対面かつオンラインで行うことで、意見を言う心理的な障壁がなくなることから、若手教師でも意見を容易に伝えやすくなる上に、オンライン上に全員の意思が示されていることから、一部の意見に左右されたりすることなく意思決定できることがこの方法の特徴です。

 このように、ポジティブ行動支援は学校のシステムを見直し、みんなが働きやすく、学びやすく、過ごしやすい学校環境を実現していきます。(おわり)

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