災害共済給付金の請求書 学校が送らないのは権利侵害

災害共済給付金の請求書 学校が送らないのは権利侵害
iStock.com/AndreyPopov
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 学校管理下で子どもがけがをしたときなどに給付金を支払う、日本スポーツ振興センター(JSC)の災害共済給付制度について、こども家庭庁はこのほど、教育委員会や保育所などに対して、学校の設置者が保護者から提出された支払請求書をJSCに送付しなかった場合、保護者の給付金を請求する権利の侵害に当たる可能性があるとする見解を通知で示した。学校の設置者が請求の可否を判断したり、請求内容を審査する権限はないため、学校の設置者は経由機関として保護者から提出された請求書をJSCに送付する義務があるとしている。

 通知では、独立行政法人日本スポーツ振興センター法施行令第4条第2項を踏まえ、保護者などからの災害共済給付の支払い請求については、学校の設置者にその請求の可否などを判断し、請求内容を審査する権限はないため、学校の設置者が学校の管理下で発生した災害であると認識しているかどうかにかかわらず、経由機関として支払い請求書をJSCに送付する義務があると説明。

 その上で、学校の設置者が保護者などから請求された支払い請求書をJSCに送付しなかった場合、保護者の災害共済給付の給付金を請求する権利を侵害することになる可能性があるとし、保護者から支払請求書を受領した場合は、経由機関として速やかに請求書をJSCに送付するよう求めた。

【キーワード】

災害共済給付制度 学校の管理下で子どもがけがをした際に、給付金を支払う制度。授業中だけでなく、部活動や登下校中などのけが、給食時の中毒や熱中症なども対象になる。学校設置者が保護者の同意を得た上で共済掛金を集め、加入手続きをしている。受診月から2年以内に請求を行わないと、給付が受けられない。

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