【Withコロナから見たGIGAスクール構想(10)】新型コロナを経験した子供たちが描く未来

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 グローバル化や情報化などが急速に進展し、未来の変化を予測するのが困難な時代だからこそ、学校教育においては子供たちに未曾有の変化を乗り越え、他者と協働しながら課題を解決し、未来を切り拓く力を身に付けることが強く求められています。

 今回の一斉休校は、まさに「変化を予測することが困難」な事例でした。学校現場では、会うことのできない子供たちに何ができるかを試行錯誤しながら、ICTをフル活用した取り組みを行うところが出てきました。さまざまな取り組みを進める中、実際にやってみて分かったことは、慣れるまでに時間を要したり不安に感じたりするのは私たち教員の方であって、子供たちは実に前向きにチャレンジする様子があったことです。

 例えば、つくば市のオンライン学習。回数を重ねるうちに、子供たち同士で意見を出し合い、多様な意見に触れながら、最適解を導くことができるようになっています。教室での学習と、家庭でのオンライン学習は、学ぶ場所こそ違えど、学ぶ方法は何ら変わらず、ある教員は普段と変わらずに学び合う子供たちの姿があったと、様子を振り返っています。

 また、子供たちの「一人じゃ分からなかったけれど、オンラインで友達と一緒に考えられてよかった」「友達と学び合うって、学校だけじゃないと分かった」「もっとオンラインで学び合いたい」などと、目を輝かせて話す様子が印象的だったとも述べていました。

 全国の一斉休校により、約3カ月の間学校に通えなかった子供たちを「かわいそう」と捉える人もいます。しかし、コロナ禍で困難を乗り越えた子供たちは、この経験を糧に、より一層強くたくましく成長していくことができる子供たちなのです。「かわいそう」どころか、未曾有の変化さえもしっかりと受け止め、仲間と協働しながら未来を切り拓き、我々が考えてもみなかった社会を創造していくことができるに違いありません。

 では、そのような子供たちを育てる立場の人間には、何が求められているのか。私たち教員には、このコロナ禍で試行錯誤したこと、そしてそこから学んだことを決して忘れることなく、自分自身が変化することを恐れず、前向きに取り組み続けることが求められているのではないでしょうか。そして、今後はその覚悟が問われ続けるはずです。

 変化の激しい時代にあるからこそ、自分自身が変わり続けなくてはなりません。未来を創る子供たちのために。私も、皆さんも。

(連載にあたり、Type_Tのメンバーに多大なる協力をいただきました。この場を借りて深く御礼申し上げます。)

(おわり)

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