さて今後、ユナイテッド部活動はサッカー部をロールモデルとして、各種目で拠点校を定め進めていく。学校や保護者、生徒の理解を得て、区内に例えば2カ所の活動拠点校を設け、完全なユナイテッド部活動としてのサッカー部にしていく。そして、これらをロールモデルとして、他の既存部活動も地域移行を図っていく。
一方では、現状の部活動の窮状(指導者がいないなど)を支援するなどの取り組みも展開していく。指導者人材バンクを立ち上げ、渋谷ユナイテッドの指導者として学校に紹介するなど、学校部活動の窮状を救える体制づくりを構築する。
とはいえ、そう簡単に指導者人材は集まらない。そこで地域や大学を回るなど働き掛けを行っており、確かな手応えはある。具体的には、野球であれば近隣のヤクルト球団などに指導者を依頼するなどの働き掛けを行っていく。プロのスポーツ選手や実業団の選手の中には、セカンドキャリアとして社会貢献を考えている人もいるからだ。
そして、改革にはモデル校や研究校の指定が有効であることから、次年度は「部活動の地域移行」モデル校として、2校が教育委員会からの指定を受けて取り組む予定になっている。「既存部活動の全てをユナイテッド部活動にしたい」との意向を持つ中学校は多い。そんな中、2校のモデル校には、地域移行の推進を担う取り組みや具体的な課題への対応を行っていただき、文字通り他校のモデルになることを期待している。
ユナイテッド部活動を生徒や保護者が進んで選ぶようにするには、他にはない独自性を持つ必要がある。そこで、スポーツメーカーとの協働により、生徒の傷害予防、自主性、主体性を伸ばすコアプログラム(体力測定やトレーニング)の開発を行っていく。
小学校に向けては、ユナイテッド部活動への広報を積極的に行う。中学校に進学してからではなく、見学会を開催するなどして参加を呼び掛け、ユナイテッド部活動について知ってもらう。
さらに、ユナイテッド部活動の拠点校構想への理解を関係者に求めること、中学校は新規の学校部活動は作らず生徒にはユナイテッド部活動への入会を勧めてもらうこと、平日もユナイテッド部活動にするための手段としてユナイテッド指導者が確保できるまでは教員の兼業兼職でしのぐなどの対応をしていただくことなども進めていく。