【若手が輝く学校づくり(8)】初任者の目が輝く初任研とは

【若手が輝く学校づくり(8)】初任者の目が輝く初任研とは
【協賛企画】
広 告

 ミドルさん「あれ?なんだか今日はやけに忙しそうだね。どうしたの?」

 若手さん「今日は午後から研修に出掛けるので焦っていて…あわあわ」

 あなたの学校でも、こんな光景を見たことはないでしょうか。行政の若手研修といえば「初任者研修」(初任研)です。自治体によって差はあるものの、一般的には自校で行う校内研修と校外研修とで構成されています。初任者が出張に出るためには、自分のクラスや授業を他の先生にお願いしなければならず、その分の積み残しは翌日以降に必ず初任者自身に降りかかってきます。

 「学ぶ」ということは、本来であればとても楽しいことです。特に初任者ならばなおさら、目を輝かせながら研修に出掛けて行ってほしいものです。しかし、実際は研修のための時間を捻出すること自体が若手教員の負担を大きくし、学ぶ意欲を減退させてしまっています。

 生徒の学びも同じですが、「やらされている感」が強くなってしまうと、初任者は輝きを失ってしまいます。「何のために」その研修を受けるのか、初任者が目的と当事者意識を持って研修に参加できることが大切です。生徒にも「主体的な学びを」「教え過ぎない授業を」と言われている今、それに逆行するような初任研になってしまっていては、矛盾が生じてしまいます。目的を今一度見直し、できる限り初任者の負担を減らしていくような工夫が必要なのではないでしょうか。

 ここで少し、若手さんの心の声を聞いてみましょう…

・「初任研でやっているその協議、オンラインでも事足りませんか?民間の会社ではオンライン会議が主流の時代ですよ。わざわざ顔を突き合わせる目的は何ですか? 」

・「研修内容は、受講者のレベルやニーズに合っていますか?『個に応じた指導が大切』『主体的な学びを』と生徒に言いながら、大人は受け身の学びになっていませんか?」

 若手さんが言いたいのは「せっかく研修の時間を捻出したのだから、時代やニーズに合った有意義な学びをさせてほしい」ということです。これは初任研に限った話ではなく、「2年次研修」「3年次研修」や中堅教員向けの研修についても言えることかもしれません。

 初任研は初任者の先にいる「子どもたちのため」に行うものです。この最上位目的の下で研修の質と量を見直し、内容をブラッシュアップしていく必要があります。「子ども主体」の学びや授業づくりが求められる時代であることを考えれば、若手教員が目の前の子どもたちと一緒に探究していけるような研修が理想的なのかもしれません。

広 告
広 告