本連載ではこれまで、生成AIとは何か、生成AIを活用することでどのような授業が可能になるのかなどをご紹介してきました。最終回となる今回は、改めて生成AI時代の教育の在り方について考えていきます。
文章生成AIは、人間が書くような自然な文章や会話を生成します。また、生成AIが登場した初期から、「プログラミング」にも有効であることが分かっていました。自然言語に比べて、プログラミング言語はより明確な文法規則で記述され、豊富な学習データもあるため、生成AIとの親和性が高いのです。
今回は、高校での生成AIの活用事例として「言語能力の育成」に関わる授業例をご紹介します。
第6回に続き、日本女子大学附属中学校での実践をご紹介します。今回は大規模言語モデル(以下LLM)の活用についてです。
みんなのコードでは2023年の10月から11月にかけて、日本女子大学附属中学校の3年生を対象に、技術・家庭科の技術分野の中で、計6時間にわたって生成AIの授業を行いました。授業の様子をご紹介する前に、なぜ女子校で授業実践を行ったのかを補足させてください。
私たちが昨年度実施した「生成AI100校プロジェクト」には、全国から多くの学校に参加していただきました。小学校からも60校を超える参加があり、多彩な実践が展開されました。その中から、2つの小学校での事例を紹介します。
社会では生成AIが話題に上ることが多くなっていますが、子どもたちへの影響も感じ始めているのではないでしょうか。みんなのコードが2024年5月に発表した「2023年度『生成AI100校プロジェクト』実践報告書」によると、小学生の14.5%が学校外で文章生成AIを使用したことがあると回答しています。
生成AIと学びを巡る議論には、大きく3つの可能性があると考えられます。
生成AIの中でも特に知られているChatGPTのような対話型生成AIが、どのように文章を生成しているかご存じでしょうか。裏側では大規模言語モデル(LLM)という技術が使われており、インターネット上に公開されている膨大なテキストデータなどの内容を学習しています。
2022年11月、アメリカのOpenAI社がChatGPTを発表すると、私たちが普段使っている自然言語の形でコンピューターとやりとりができる対話型の生成AIとして、世界中が驚きに包まれました。そして、23年3月になるとさらにバージョンアップされた GPT-4 が発表され、この頃から世界中で生成AIブームとも呼ばれる状況になりました。
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