小野 道子

【災害時の子どもの安全保障と居場所（10）】災害時の子ども支援コーディネーションの必要性

災害支援の現場では、コーディネーション（調整）が重要です。さまざまな団体や個人が、「何か役に立ちたい」という志を持って被災地に駆け付けてくれても、それらを整理する団体や人が必要となります。そうでないと、支援が特定の地域に集中してしまい、被災家庭や子どもたちに支援が均等に行きわたらないという問題も起こります。

【災害時の子どもの安全保障と居場所（9）】子どもの意見表明権と災害子ども支援

2023年4月1日にこども家庭庁が発足しました。こども家庭庁では子どもや若者から意見を聞き、彼ら彼女らが参加できる仕組みづくりが目指されています。また、こども家庭庁の発足とともに、こども基本法も施行されます。

【災害時の子どもの安全保障と居場所（8）】災害と学校

災害が起きると、多くの学校が避難所となります。避難所の運営は市町村の防災担当部局が責任を負うことになっていますが、多くの場合、学校の先生方にも協力が求められます。実際、全国の小中高校、特別支援学校など3万3285校のうち、3万349校（91.2％）が避難所として指定されています。

【災害時の子どもの安全保障と居場所（7）】令和元年東日本台風における長野県での子ども支援活動

皆さんは、2019年10月中旬の令和元年東日本台風（台風19号）を覚えていらっしゃいますか。千葉県などの関東地方から福島県、新潟県などの東北地方にかけての広域の災害でしたので、皆さんの中にもご自身やご家族、知人などが被災されたり、直接被災されていなくても被害の影響を受けたりした方がいらっしゃるかと思います。

【災害時の子どもの安全保障と居場所（6）】東日本大震災と子ども支援

2023年3月11日、東日本大震災から12年が経過しました。発災当時6歳（小学1年生）だった子どもたちが今、18歳になっています。震災の影響を受けた子どもたちの多くが若者となり、中には親となっている人たちもいますが、地震と津波による大災害が地域に及ぼした影響は簡単には拭えるものではありません。

【災害時の子どもの安全保障と居場所（5）】災害時の子どもの居場所のつくり方

NPO法人災害時こどものこころと居場所サポートは、公益財団法人日本ユニセフ協会の東日本大震災復興支援事業に携わったメンバーが2017年に設立した団体です（18年からNPO法人化）。日本ユニセフ協会では、東日本大震災発生の2日後から子どもたちのための災害復興支援事業を5年間にわたり実施しました。

【災害時の子どもの安全保障と居場所（4）】子どもの居場所の重要性～災害支援のスタンダードに～

前回もお伝えしたように、避難先での不自由な生活が長引くと、子どもたちにさまざまな負の影響が現れます。災害という緊急事態において子どもたちに必要なことは、親や周りの人たちとのつながりや心の通い合い、遊ぶこと、学ぶことなど、子どもたちの「日常」をできるだけ早く取り戻すことです。

【災害時の子どもの安全保障と居場所（3）】災害時の子どもたちの状況

災害時、日本の子どもたちはどのような状況にあるでしょうか。恐ろしい体験をし、住み慣れた家や地域から、避難所などに一時的にまたは長期にわたり避難しなければならない子どもたちもいるでしょう。学校や幼稚園・保育園なども数日から数週間にわたり休校や休園になり、部活動や習い事、友達との遊びなどもしばらくの間は我慢しなければならなくなります。

【災害時の子どもの安全保障と居場所（2）】世界の災害と子どもたち

日本では、「災害被災者」というと高齢の方々や障害のある方々を思い浮かべる方が多いかと思います。しかし、世界の災害では、被災人口の約半分を子ども（18歳未満）が占めています。

【災害時の子どもの安全保障と居場所（1）】災害と子どもの安全保障

これから10回の連載で、災害と子どもの安全保障について書かせていただきます。読者の皆さんは、教育に携わる方々が多いと思いますので、災害時、子どもたちがどのような状況に置かれるのか、おそらくイメージをお持ちになることができるかと思います。未曽有の被害をもたらした2011年3月の東日本大震災。