(読者の窓)再考

 退職間際、改めて学校グランドデザインを見直すと、国や市の政策や指針を表す言葉が羅列してある。いろいろやってますと主張しているが、本校の独自性はない。本校ならではの学校づくりはないのだろうか…。

 主体的な学びなら、型にはめず、伸び伸びと学ぶ機会が必要だろう。対話から学ばせるなら、友達と意見が違っても議論を交わし合意できる時間をつくりたい。目の前の子どもたちは、成績や評価を気にして、○を求めて学習している。とても好奇心をもって生き生きと学んでいるとは言い難い。失敗や間違いの不安と戦っていると見えてしまう。これは、教える教師もである…。

 そこで、教育活動の柱を「心理的安全性の構築」とすることにした。柱を決めるに当たって、昨年度から先生方に考えを伝え、何をすることが一番か問い掛けてきた。共通理解と合意が図れたのがこの柱だ。年度末、学級以外の居場所づくりであるフリールームを設置することが決まった。これも、先生方に学校での教育活動を見直すよい機会となった。これまでは、指導の目的や方法を見直してよりよい学校を語るためには、教員の成功体験こそ効果的として経験知に頼ってきた。科学が進歩し、脳科学や行動心理学などから学び、それを生かした指導(支援)をすることこそ、これからの学校教育ではと柱を据えた。

 年度当初の計画案で、少しずつその意図が反映し始めていることに「ベクトルが同じになったかな」と感じ始めている。

 (大矢忠史・名古屋市立神丘中学校長)

あなたへのお薦め

 
特集