旋盤の腕磨きチャレンジ精神高める【技能検定】

神奈川県立磯子工業高校
放課後日々練習重ねる
技能検定の上級合格目指す
旋盤で材料を切削し腕と心を磨く
旋盤で材料を切削し腕と心を磨く

部活動で腕に磨きをかけて技能検定にチャレンジ――。

神奈川県立磯子工業高校の技術研究部は、毎日、放課後を中心に練習を重ね、技能検定機械加工(普通旋盤作業)3級、2級の合格者を輩出している。今年度のものづくりコンテストでは2年生が全国大会で3位に入賞した。

現在、部員は1年生3人、2年生5人。2年生全員が1年生のうちに3級を取得し、3人が昨年、2級に合格。2人は28年度の前期合格を目指している。1年生3人は3級を受検し、発表を待っている。4人の3年生は全員が3級に合格、2級には2人が合格した。

同部の顧問を務める金子太同校機械科総括教諭は、9年前に同校に赴任。翌年、同部活を立ち上げた。「生徒たちにいろいろとチャレンジさせたかった」と、生徒たちの練習を見守る。

「検定前は週末を含め、ほぼ毎日練習する。ここには6尺旋盤が11台、4尺旋盤が8台と、設備に恵まれている」と、1人1台で取り組めるのがメリットと話す。

今年度は、専門家を派遣してもらえるものづくりマイスター制度も活用し、2級受検者の指導に来校してもらった。「教師とは異なったスタンスで教えてくれるので、生徒たちが緊張感をもって臨むので、たいへんありがたい。事前に生徒個々の技術を伝達し、生徒のレベルに合わせての指導をお願いしている」。

旋盤は緻密な作業で、注意力が途切れると大きな事故につながりかねない。「けがをしてからでは遅いので、生徒の状態を必ず把握し、調子が悪そうだったら休ませる場合もある。気持ちが入っていないと危ない」と、きめ細かな指導を心がけている。

指導は個性に応じて行う。「器用な生徒と不器用な生徒では、取り組み方や進め方が違う。効率よく作業できる生徒には、満点ではない部分について考えさせ、自ら課題を発見させる。なかなか進まないタイプには、工程通りにここまではやろうと励ます」という。

合格証は県庁で交付される。以前は教師が代理で受け取りにいっていたが、ここ数年は「晴れの場面を経験させたくて」生徒自らに行かせている。

練習は、ものづくりコンテストにも生かされる。「コンテストは出場人数を絞るので、選ばれるためにも腕を磨く必要がある」からだ。

現2年生の1人は、神奈川県大会と関東大会で優勝し、全国大会で3位。3年生の1人は、若年者ものづくり競技会に出場し、3位になるなど、頼もしい。
技能検定以外のさまざまな資格を取得する生徒も多い。その結果、2年生2人がジュニアマイスターのゴールドを、目下申請中だ。

「技能検定の2級があって、ものづくりコンテストでいい成績であれば、自然とジュニアマイスターもとれる。また多くの資格取得に挑む生徒も候補となる。現在、特別表彰を目指している生徒もいる」

「生徒たちは、やればやるほどうまくなるので、練習をたくさんしたがる」と話し、夏休みや週末も生徒たちを見守っている。

技能検定は、職業能力開発促進法に基づいて実施される国家検定制度。国(厚労省)が定めた実施計画に基づき、中央職業能力開発協会が試験問題を作成、各都道府県知事の指導によって、各都道府県職業能力開発協会が実施するものと、指定試験機関が試験問題を作成し、実施するものがある。

働く人の技能と地位の向上を図るのが目的で、社会一般の評価を高めていく。昭和34年に始まり、平成26年4月現在では、128職種で実施されている。合格者は平成26年度までに574万人を超えた。

特級(管理者または監督者)、1級および単一等級(上級技能者)、2級(中級技能者)、3級(初級技能者)とされ、検定職種ごとに実技試験および学科試験が行われる。

受検に際しては、原則として検定職種に関する実務経験が必要。ただし、3級については、検定職種に関する学科に在学するか、検定職種に関する訓練科で職業訓練を受けているかのどちらかとされており、高校生でも専門の学科で学んでいれば受検が可能だ。

合格基準は100点満点のうち原則として実技試験は60点以上、学科試験は65点以上なので、難関だ。