学校図書館で正しく情報収集 島根県大田市立大田西中学校

複数の教科の実践で情報活用能力育つ 積極的活用を目指した授業実践

本校の取り組み

 本校では、「自ら学ぶ力を育て、豊かな感性を育む~伝え合う活動を中心にした情報活用教育の取り組み~」という学校図書館教育目標を掲げ、「自ら考え、学び、調べる生徒」「読書の喜びを感じ、心を育む生徒」「お互いの意見を尊重し、認め合える生徒」の育成を目指している。

 生徒が積極的に図書館を利用し、正しく情報を集め、活用することができるよう、毎年学校司書を中心に、図書館オリエンテーションや図書館クイズを実施している。また、生徒会の活動と連携し、生徒が作成したお薦めの本を紹介するPOPを図書館や廊下に掲示したり、読書力コンテストを実施したりするなど、生徒が図書館に親しみやすくなるような環境づくりをしている。

図書館を活用した授業実践

 島根県大田市は、全国に先駆けて学校司書を全校配置し、図書館を活用した情報活用教育に取り組んできた。その取り組みの一つとして、大田市教育委員会主催で年に1度、8月に、県内外から著名な講師を招く管理職を含めた学校図書館活用研修会を行っている。今回紹介するのは、2019年8月に槇川亨環太平洋大学特任教授の学校図書館活用ワークショップ研修「要約と立体リーフレット」を取り入れた理科の実践事例である。

 中学2年生を対象に、理科で学習する「電気の世界」の単元のまとめとして、科学技術の発展に関する授業実践を行った。さまざまな科学技術について調べ、リーフレットにまとめることで、科学技術の進歩によって生活が豊かで便利になったことを知り、今後の科学技術の発展について興味をもって考えることができる生徒を育成することを目的とし、4時間の実践を行った。

実践の様子

 実践の流れは次の通りである。1時間目に、「電気を利用することによって人間の生活が便利になってきたこと」や、「さまざまな科学技術が現在も発展し続けていること」などを、動画教材を用いて学習する。その後、生徒一人一人が学校図書館の書籍を用いてさまざまな科学技術について調べる学習を行う。2~3時間目に、3~4人のグループで興味のある科学技術についてのリーフレットを作成する。4時間目に、作成したリーフレットをワールドカフェ方式で発表し、それぞれが調べた内容について共有する活動を行う。

 リーフレット作成は、学校図書館の書籍から情報を収集し、その内容を文章や絵、図などにまとめる方法で行った。生徒一人一人が興味のあるテーマごとに3~4人の班に分かれてリーフレットを作成した。今回の実践では、「医療」「デジタル」「通信」「バイオ燃料」「未来の技術」というテーマで行った。

 そして、テーマごとに分かれて、その中でも特に調べたい内容を一人一人が決め、それぞれが書籍から集めた情報を要約してまとめた。「医療」のテーマの班は、「人工臓器について」「内視鏡による早期のがん治療について」「超音波治療について」「薬の製造について」という4つの内容について調べ、班ごとに1枚のリーフレットを作成した。

 科学技術の急速な進歩、発展に伴い、生徒は日々、さまざまな電気製品や電子機器に囲まれて生活している。そのため、日常生活の中で利用している電気製品や電子機器のしくみに興味をもっている生徒は多く、授業にも意欲的に取り組んでいた。また、発表では、難しい言葉を分かりやすく伝えようと工夫したり、発表者に積極的に質問したりするなど、生徒一人一人の学びが深まっている様子も見られた。

終わりに

 今回の実践の他にも、2年生を対象に、理科で学習する「天気」の単元の導入の授業として、天気に関するリーフレット作成を行っている。また、総合的な学習の時間に、SDGsについての学習の一環として、環境に関わる題材をテーマに設定したリーフレット作成も行っている。生徒の情報活用能力は、1回の授業で身に付くものではないため、複数の教科での実践や、同じ教科でも複数の題材での実践をすることに意味があると考える。今後も学校司書と連携しながら、学校全体としてさまざまな取り組みを行っていきたい。

(島根県大田市立大田西中学校教諭・渡部紗英、学校司書・澁野美穂)

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